院長ブログ

2019.09.05

2019年8月30日 日常診療に役立つ病診連携講演会~リウマチ、肝疾患を中心に~

都立駒込病院 膠原病科 医長 瀬戸口 京吾 先生

「日常診療で診るリウマチ疾患について、当科との医療連携をテーマに」

都立駒込病院 肝臓内科 部長 木村 公則 先生

「肝機能異常を見つけたらどうすべき?肝疾患における医療連携の活用~C型肝炎・NASHを中心に~

病診連携とは何か!

私の先輩医師の言葉をお借りすると、「当医院は患者様の事を第一に考え、簡単な病気を早く治し、難しい病気は大病院に早く送ることを基本に考えています。」

かかりつけ医、プライマリーケア医の役割は、まさに先輩医師の言葉通りです。関節リウマチは、昔の様にステロイドで痛みだけを取っていればよい時代ではありません。ステロイドで痛みをとっても、関節の変形は防げませんので将来のQOLは大きく低いものとなってしまいます。

今の時代のリウマチ治療は、MTX、生物製剤といった治療薬を用いて関節を変形させないことが主目的の時代です。MTXや生物製剤は使用経験の多い医師に治療を任せて、我々、プライマリケア医はリウマチ疾患を疑う目を持っていればよいのです。見落とさないということが大事です。早期に治療を開始すれば関節の変形が少なくて済むからです。

治療内容に変化があれば、当然、診断基準も変わってきます。ACR/EVLAR分類基準2010に変わりました。治療を早期に行うためには従来の診断基準はそぐわなくなってきたからです。

続いて、NASHですが、学生の頃から体重が+10kg以上の人は予備軍だそうです。NASHはUSでは鑑別ができないので血小板が15万以下の場合は2泊3日で肝生検が必要なようです。NASHの治療薬はなく減量が大事であるとのことです。

C型肝炎は、飲み薬を4~8週間服用すれば治る時代になりました。高齢者、非代償性肝硬変であっても治療適応とのことです。ただ、治療でウイルスがなくなっても発がんの可能性はあるため定期的なUSは必要とのことでした。また、DMの方におきましては、ALT30は高値とのことですので注意が必要です。

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